色面構成について
ちょっと難しい記事になりそうなので無理そうなら読み飛ばしてかまいません。
教わらなくてもある程度描ける人はいます。
ただ絵の基本を理解しないとその上に行けず立ち往生してしまいます。
反対に最初は上手く描けなくても愚直に基本をおさえることでこういった人より上手くなる可能性があります。
例えば教わらなくてもデッサンがある程度描ける人。
基本的な部分が理解できているかどうかは水彩で描かせるとわかります。
要はモノの観方がしっかりしていないので手順がバラバラでデッサンで描けるレベルの絵が水彩では描けない。
この辺がわかっていないとデッサンしてもあまりペインティングには活かされません。デッサンすれば油彩や水彩が上手くなる神話は崩壊です。
教室に飾ってあるデッサンをご紹介しますがその制作途中のひとコマをお見せします。
木炭、100cm×70cm
石膏像と背景の固有色とシャドウをつけたまでのセクションです。
まだ画面構成する段階ですので細かいディテールは全く無視しています。
絵を描く=細かい描き込みをする
この考え方は捨てた方がいいです。
最終的には描き込みはしますがこのぐらい強く言っておかないと画面が出来上がっていない段階で目などを細かく描こうとするでしょう。玄人が知っててやるなら話は別ですが描き慣れていない人がやるとド素人全開です。
サンプルを見るとカクカクした印象を受けると思いますが面毎にグレーを描き分けているからです。面で大きく画面が構成できればあとは面毎の継ぎ目をどう処理するかです。
局所的にトーンを乗せていくアプローチはモチーフが簡単な場合は通用しますがモチーフが大きくなったり、数が増えたりすると通用しなくなります。
最終的にこうなりました。
前のセクションから何をしたかはよく見るとわかると思います。たまには答えを書かずに考えてもらいましょう。
考えるってとても大切だと思います。
知恵。インターネットで情報が溢れている今は考える人が減っているような気がします。年配の方々を見ていると何か問題があると考えて解決しようとします。若い人はわからないことがあるとスマホを取り出しググる。自分なりに考えないと個性も潰されてしまいます。
自己解決能力。創意工夫。
考えて知恵を出す。人間に与えられた素晴らしい能力だと思います。
最初のサンプルですがこのアプローチは油彩でとても役に立ちます。油彩のスタートはほぼベタ塗りの色面構成で画面を作ります。色の面がモザイク状に塗られていく感じです。それができてから色々と事が動いていくわけです。その足場がないのに細かいところに目がいってこちょこちょ描いても時間の無駄になるでしょう。
今週はちょっと疲れました。明日はのんびりしよう。