トーン構成
前回の記事で光が物に当たったときの現象を見ました。
そこで今回はトーンという側面から各パートを理解します。
おさらいで各カテゴリーを列挙します。
・ハイライト
・明部
・固有色
・明暗境界線
・反射光
・オクルージョンシャドウ
トーンは紙の白から今使っている画材で出せる最も暗いトーン(黒)までの幅があります。
まず基本としてこの最高から最低までのトーンをしっかり使えるようになりましょう。
よくある例で、まだより低いトーンが残っているのに淡いトーンだけで描いていて厳しい状況になってしまっていることがあります。
フルトーンの幅を使えばより自由になります。
運動場も広ければおもいっきりスポーツができるのと同じですね。
トーンの階調は細かいほどきれいな絵になるというのは先入観です。
それよりまずしっかりとした6つのカテゴリー毎のトーン分けが必要になります。トーンを整えて描くことで絵に説得力が増します。
下のグレースケール表を見てください。
左から
・ハイライト
・明部
・固有色
・反射光
・明暗境界線
・オクルージョンシャドウ
※反射光が明暗境界線よりも明るくなることに注意しましょう。
ハイライト、明部、固有色が明暗の明。
反射光、明暗境界線、オクルージョンシャドウが明暗の暗。
光の強さ加減や反射光などの影響で実際こんなに均一に各トーンが分かれるわけではありません。
しかし、各パートが他の領域のトーンに侵入してしまうことでバランスが崩れていくのでこのセットをしっかり意識して描き進めましょう!
明部のトーン変化
「光の考察」の頁で明部に当たる光の強さについて触れました。今回はもう少し具体的に見てみましょう。
光の強さの法則
・光源から離れるほど光は弱くなる
下の画像で背景の壁のトーンが、ランプから離れるにつれて徐々に暗くなっていくのがわかります。
・光源から顔を背けるほど光は弱くなる
下の面取り石膏像のご覧ください。
光源は左上にあります。赤く囲ったところが光源に対して真正面を向いた面です。一番トーンが明るくなっていますね。
次に少し光源から顔を背けた黄色に囲ったところのトーンが暗くなっています。
目を半分閉じて見るとその違いがはっきりわかると思います。
半目で見る、薄目で見ることでトーンを把握しやすくなります。
とても役に立つので是非癖付けるようにしましょう!
そして光源から完全に顔を背けた青く囲った面からが暗部になります。
トーンコントロールの注意点
暗部に強い反射光が当たっているとつい明部より明るくしてしまいます。
反射光は2次光源なので主光源の光より強くなることはありません。
つまり明部のトーンは暗部のトーンより明るいという図式は変わりません。
描き進めるうちにトーンがちらかってしまい、どうにもならなくなってしまうこともあります。
そんなときは無理に進めず、一度固有色のトーンを均一に整えてからリスタートしましょう。